哲学の世界に私が抱く致命的な不信感について

大学で物理学を研究し齢六十を数える教授に例えばこういう質問をして、こういう返答が帰ってきたら、あなたはどう思うだろう。

「物理学のどんな事を研究してらっしゃるんですか?」
「ニュートン力学を研究しています」

多分、「は?」が率直な回答なんじゃないだろうか。なんだってそんな古い物を未だに研究し続けてるのか、と。とっくの昔に物理学の世界はずっと先に進んでいるし、この世の真理に近付くために必要な研究はもっと他にあるじゃないか、と。(理系の知識には疎いから、少しいい加減な事を書いたのかもしれないけど、目を瞑って欲しい)

しかし、哲学の世界なんかでは、逆にこれが普通になる。

「哲学のどんな事を研究してらっしゃるんですか?」
「ニーチェを研究しています」

私はこういう応酬を一番上の応酬と同じくらい馬鹿馬鹿しいものだと思う。どんなに偉い哲学者でも高々個人である。個人は必ずどこかで間違える。その人の思想をよく咀嚼した上で問題点を指摘し、世界を一歩先の姿に進めることこそが貴方の仕事ではないのか。しかし実際に行われているのは、特定の思想を無条件に礼賛し膠着させるという、この世の真理とは縁遠い非常に悲しい営みである。
勿論たった一人の研究だけで教授になった人は居ないのだけれど、しかし、研究した偉人の名前をどんなに増やしても根本的に問題を解決しないと思う。
この世の真理やら自我の真理やらに本気で辿り着こうとしていた人類の意志は、一体その過程のどこで失われてしまったのだろう……?

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